創業110年、金沢有数の老舗骨董店

金沢は加賀百万石の栄華を誇った城下町です。武士の嗜みであった能楽や茶の湯などの伝統文化が現在でも深く息づくと共に、藩政時代以来の伝統を現在も受け継ぐ美術・工芸が数多く残っています。地方都市としては珍しく戦渦の影響が少なかったことから、歴史的価値のある物が多く、東京・大阪・名古屋・京都に並ぶ5大美術都市です。また、歴史的な建造物も多く風情ある町並みを形成しています。

”石黒商店の歴史”

石黒商店は明治37年、初代石黒作次郎が美術商を開いた事に始まります。その後、金沢美術倶楽部に入会し市内の貸店舗で営んでいましたが、昭和に入り二代目久次郎が現在の店舗(金沢市十間町)を建てました。戦後には旧公家や大名、財閥からの売り出しが多く、得意分野を生かし北陸や東京へと販路を広げていきました。

 

昭和28年、株式会社石黒商店となり三代目石黒勝の入店後は書画骨董でも茶道具・漆芸・近代工芸などが主力商品になりました。金沢美術倶楽部取締役を務め、現在もその発展に携わっています。

 

平成9年より四代目石黒太朗入店。金沢美術商協同組合理事就任、現在に至。時代やニーズに合わせ、和洋の組み合わせや現代作家とのコラボレーションなど、伝統文化と新しい感性の融合や、古美術品の背景にある伝統文化や作法を継承すべく邁進しております。

 

二代目久次郎筆 旧看板「美術 石黒」

昭和40年当時の様子

”築78年の日本家屋を改修”

平成25年、当店は金沢町屋として新たな命が吹き込まれました。

金沢十間町地区に半世紀以上佇み、歴史の経過を静かに見守ってきた建造物を残して行きたいという思いから、伝統工法を尊重した改修を行いました。潜在的に持つ古民家の暖かい雰囲気や美しさは維持しつつも「いま」と「むかし」が共存する新たな空間として生まれ変わりました。

当時の建造物を継承していく事で、歴史的な町並みを残しながら金沢らしいまちづくりを目指しています。

 

高さ12m以上の特徴的な吹き抜け。

豪雪地帯では冬の間、窓からの明りが雪で遮られるため、このような高窓を作り照度を確保していました。

能登ヒバ(アテ)材に漆掛け仕上げの柱類。

黒い部分は漆喰の磨き仕上げになります。

家紋入の蝋燭入箱。

停電等非常時に提灯として使用していました。

箱階段は、現在も収納として利用しています。

正面「大」の字の裏は「小」となり、月の大小を表します。カレンダーの無い時代はこのように日付を管理していました。

窓全面を覆うガラス戸は、1枚づつ引き込む事で全開にする事が出来ます。

欄干下には装飾として、松竹や季節の絵変わり透かし板がはめ込まれ、季節感の演出を愉しめます。

※写真は初夏、牡丹と杜若

昭和初期 横山白汀による彫刻欄間。日本三景が彫られた3枚の内のひとつ。欄間は寺社建築から発展してきましたが、江戸時代頃から商家などの家屋にも取り入れられ、伝統的な日本家屋の品格をもたらす設えとして受け継がれています。

正面玄関は創建当初の弁柄格子を復元しました。外装は黒漆喰磨き仕上げです。この仕上げが外装で使われる例は少ないそうです。最後は、左官の職人さんが素手で仕上げました。

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