古銅象耳花入

2014年04月26日

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今日はお道具に加えて春のお花も紹介します。

花生:古銅象耳花入(明時代か)
花 :延齢草(エンレイソウ)
   令法(リョウブ)

古銅花生とは中国古代の銅器またそれを写した花入です。
銅という名前ですが実際は銅を主体とした錫や鉛の合金です。
茶の湯では古銅・青磁・染付のものは一番各式が高い「真」の花入とされています。
このお品はとても鉄味(かなあじ)が良くしっとりとしています。なだらかな曲線や斜めに配置された雷文と花弁のデザインがうまく調和しています。

この花生に今回は大きな三枚の葉っぱに紫の花を咲かせた延齢草と新芽のついた令法をあわせました。

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<延齢草>

ユリ科
春から夏に3片の紫または白の花が咲きます。
発芽してから開花するまでに、10年ほどを要します。しかし、株の寿命も草としては長く、50年とも言われます。
葉や花びらなど全てが「3」の倍数で成り立っており(雄しべも6本)、学名「Trillium(トリリウム)」もギリシャ語の「3(tri)」にちなんだものです。また薬草としても用いられ、寿命(年齢)が延びたことから延齢草の名前がつけられたという説もあります。
<令法>
リョウブ科
今は新芽が楽しめますが初夏になると枝先に白い小花を沢山つけます。若葉は山菜料理として食べられ、平安時代から江戸時代には飢饉に備えて若葉を蒸して乾燥して蓄えていたそうです。ある時期には政府によって令法(レイホウ)で保存用の食料として栽培も推奨されました。これが訛って「リョウブ」となったとも言われます。