銅 カエル口上花入

2014年05月02日

先日、お店に並ぶお品を入れ替えました。

今は5月ですが、少し季節を先取って梅雨や初夏をイメージして選びました。
その中でも今回はショーウィンドウで強い存在感を放っているのが銅製の花入をご紹介します。

 

どっしりと構えたカエルの様子と口から出ている花入の部分が強いインパクトを与えるお品です。

カエルの背中部分はヒキガエルの模様のような凹凸があり、さらに銅製なのでつやつやと光っている様子が雨の日を思わせます。
雲のような花入部分には広い口に花だけを浮かべるのも良し、少し高さのある花を生けるも良しです。現在お店では花だけを浮かべています。
珍しい形ですが、作者や詳しいことははっきりせず、明治頃のものと思われます。
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ところでみなさんは蝦蟇仙人をご存知でしょうか。
蝦蟇仙人はアオガエルを連れて妖術を使う、とされている中国の仙人です。
口から息をふーっと吐き、小さなカエルをたくさん出現させている様子や、連れられているアオガエルが何か気体のようなものを口から出している様子もよく描かれます。

花入の部分はおそらくこの蝦蟇仙人の妖術を意識してつくられたのではないかと思われます。
また通常カエルの前足の指は4本だそうですが、このカエルは5本指です。もしかしたら仙人としてのカエルを意識していたのかもしれません。


先日出したばかりですが、珍しい形と愛嬌のある表情からか店頭で既に多くの方々の視線をあつめています。