大聖寺伊万里 金彩花文豆皿

2020年06月27日

以前お知らせしました「金美WEB展示会」、毎月1日更新ということで来週の水曜日に更新がございます。

6月は時代も価格帯も幅広い品物が展示されていましたが、7月はどのようなお品が出されるのでしょうか、気になるところです。

今回の「骨董のはなし」は、久しぶりに色絵の豆皿を入荷できましたのでご紹介いたします。

大聖寺伊万里 金彩花文豆皿(大正―昭和)

口径 8.1㎝

高さ 2.0㎝

全体に染付を施した上に、赤絵・金彩で描き込みがなされています。

染付は見込み中央に牡丹と側面に花唐草を表し、金彩で縁取られた中抜きの赤絵は植物をモチーフとした文様で、仏具の華鬘のようにも見えます。

裏面には染付で側面に唐草文様と、高台内に「成化年製」の文字があります。

このような小皿にはよく「大明成化年製」や「成化年製」の文字が書かれていますが、「成化」とは明代中期の元号で、具体的には1465―1487年の期間を指します。

景徳鎮で染付の優品が生産されていたのがこの時期のため、もともとは写しとして作られたこれらの器の背面にこの文字が記されました。

掌に収まる小さな器の中にこまごまと素朴な文様が描かれているのは可愛らしく、つい愛でてしまいます。

見込み側面の花唐草は、染付の唐草の部分が流水文のようにも見えて涼しげです。

食卓にひとつふたつ、あると素敵な豆皿です。