伊万里色絵橘鳳凰小皿

2020年12月05日

気が付くと12月ですね。

年の瀬を感じて何事もなくとも落ち着かない心地がします。

本日は暦に因んで伊万里の小皿をご紹介いたします。

伊万里色絵橘鳳凰小皿

口径 9.4㎝

高さ 2.7㎝

見込の中心に染付の鳳凰と、その周囲に丸紋の鳳凰、金彩の雨竜が描かれています。

その間を橘でしょうか、黄色の実ようなものを付けた唐草が描かれています。

背面は染付で花唐草、高台内には「太明成化年製」と書かれています。

見込中心の鳳凰は雲間を飛ぶ姿が描かれていますが、間の抜けた顔をしており可愛らしいです。

羽毛を毛虫の毛ような線で描いたり、尾羽を唐草風に描いたり、面白い図案化の仕方をしています。

丸紋の鳳凰も、真上から見た姿を図案化しており、斬新です。

鳳凰は実は出目だったのですね。

先に暦に因んでと言いましたが、皆様「七十二侯」というものをご存知でしょうか。

七十二侯とは、本ブログでよく紹介しております二十四節気を更に5日間ほどで3つに分けた期間のことを言います。

その七十二侯において今時分は「橘始黄(橘始めて黄ばむ)」に当たります。

言葉通り、橘の実が黄色く色付き始める時期、という意味です。

こちらの小皿は黄色の実が描かれたものしか現在ございませんが、入荷した際はほんの数枚だけ実の赤いものもあり、元々は同じ枚数だけあったのかもしれません。

そちらは南天のようにも考えられます。

橘と南天、どちらにしても縁起の良い植物となります。

形は豆皿というには少し大きいくらいで、立ち上がりがあるのでお料理を盛りやすそうです。

こうして見てみると丸を基調とした小皿にも見えてきますね。

形も絵付けも丸々とした可愛らしい縁起の良い小皿です。