第2回 茶話茶話会レポート

2015年04月11日

「加賀紅茶の話」レポート

4月5日に行われた第2回茶話茶話会「加賀紅茶の話」が無事に終了いたしました。

(加賀紅茶についてはこちらのHPも是非ご覧ください)

県茶商工業協同組合理事長の織田様をお迎えして、お申込みいただいた10人の皆様と共に加賀紅茶を試飲しながらお話を聞くことができました。

紅茶に限らず、加賀でのお茶の生産から、棒茶の始まり、そして紅茶生産へと幅広くお話いただき、スタッフ一同も大変勉強になる会でした。

 

一部ではありますが、そのもようをレポートいたします。

またこの日の為に配布資料も用意していただき、皆さん熱心にメモも取っていらっしゃいました。

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弊店社長も真剣にメモをとっております。

 

まずは石川におけるお茶の生産についてお話いただきました。

藩政期時代、3代利常が隠居に際して小松に居した時、長保屋(ちょうぼや)と号した長谷部理右衛門が茶樹栽培にあたり、利常もこれに協力して、初めて生産に成功したそうです。

その後は他の藩への移出品に茶がみられたり、徳川家に口切り茶を献上したりと加賀藩では順調に生産量を増やしてゆきました。

しかし明治維新後、海外に大量の輸出をするにあたり粗悪な茶が増え、アメリカから輸出禁止令を出された事、さらに戦時下の体制強化によって茶の生産は激減した事などが影響し、石川県内の茶畠は消えてしまいました。

その後、明治に茶の指導員としても活躍した近藤一歩が県内でのお茶作りに尽力しましたが再興には繋がらず、さらに昭和に入ってからも作られましたが採算があわず続かなかったようです。

 

ちなみに今の寺町4丁目のあたりは昔、茶畠があった為に茶畠という地名でした。(現在、歴史のまちしるべ標柱が建てられています)

 

その後、実際加賀紅茶「輝(かがやき)」を織田さんに入れていただきました。

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砂糖やミルクは一切使わなくていいと言われたこと、更に紅茶はすぐに渋くなってしまいそうなイメージがありますがきちんと抽出時間を取れば何度か出す事ができる事には驚きました。皆さんからは「おしゃれな香り」「飲みやすい」などの感想を頂きました。

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お菓子と器はこちらで用意させていただきました。

 

さて、そうして実際に飲みながら最後は加賀紅茶についてです。

加賀紅茶は5年前に石川県や中小企業組合から支援をうけて、茶業界の新しい亜用品開発やイメージ作りの為、さらに残っている茶畠を無くさない為にも作り始めたそうです。当初は2ヘクタールで30kgほどしか取れなかった紅茶は現在では500kgほど取れるとのことでした。さらにそれが一年間もたないうちに完売するそうです。

また能登紅茶「煌(きらめき)」の開発も進んでおり、今後も生活に根付くような新しい事を企画してゆきたいとお話いただきました。(例えば手揉みの紅茶を作る体験を実際に茶畠でしてもらいたいという話もでました)

今はペットボトルの需要増加や茶の間でお茶を飲む文化の衰退などが影響し、緑茶を作っても売るのが難しい、もっと緑茶でもあり紅茶でもあるような複合的なもののほうがいいのではないかというお話もあり、今後の商品展開がとても楽しみです。

 

参加された皆さんも紅茶好きの詳しい方が多く、どんどんと質問が飛び交う、アットホームな会になりました。