大野製炭工場見学レポート

2015年12月29日

気持ちのよい冬晴れとなった24日、お客様にお誘いいただき、珠洲市にある大野製炭工場の見学に伺いました。

本日はその様子を一部ですがレポートいたします。

 

大野製炭工場は、今回お話し頂いた大野さんのお父様の代から製炭工場を経営されています。

製炭業界では珍しく、かなり早い段階から設備投資をされ、現在4基の窯で炭を作っていらっしゃいます。年間の生産量、30トンは県内で一番を誇ります。

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(窯の火を確認する様子)

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(もうすぐ炭になる木々)

若くして家長となった大野さんは試行錯誤のうえ、お茶炭に使われるクヌギの木の植林や耕作放棄地の購入など行い、よりよい炭を作る為に尽力されています。炭を焼く以外にもNPOやボランティアの方々とも協力して、広大な土地への植林や里山マイスターとしての活動など様々な事業をされています。

 

たくさんの事業の中でも我々が興味深かったのはやはりお茶炭についてです。

お茶炭は普通の炭とは少し違い、色々と種類がありますが1本のクヌギの木が無駄なく使えるような大きさになっている事も茶人の知恵だそうです。見た目には小口がきれいな菊の花のように綺麗な炭が求められます。また木の皮が残っているのもお茶炭の特徴ですが、しっかり付いた状態で焼くのは難しいことだそうです。

そういったこともあり、お茶炭を焼いている方は全国でも10名ほどと教えていただきました。

 

お茶炭ができるまでについてもお聞きしました。

晩秋、クヌギの木を新月に伐採し、葉を付けた状態で1ヶ月ほど放置します。

冬前になると山からおろし、まっすぐなものを選別し15cm以下に割って窯詰めを行います。この時、曲がって規格外とされてしまった木は後から燃やす為の燃料として使われます。

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(クヌギの木の伐採までの様子をパネルを使って説明していただきました)

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(沢山のクヌギは大野さん達によって植えられたものです)

 

美しい炭を作る為に、とにかく丁寧に炭焼を行うという大野さん。

普通は2、3日かけて火をおこすそうですが、大野さんは1週間かけてじっくり窯内を蒸し、本炊きへと進めてゆきます。本炊きは半日ほどで、あとは窯にまかせて数日かけて炭化させたのち、1週間かけて冷ますそうです。

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(窯の中の火の様子も図で解説していただきました)

そして出来上がった炭はABCランクに分けて出荷されます。

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(右からA、B、Cのお茶炭)

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(仕分けの様子)

上と側面から見た炭の様子をあしらった柞(ははそ)マークもとてもおしゃれです。

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 (右下が柞マークです)

 

皆様は炭火で暖をとったことはありますか。

今回お話をお聞きする間、火鉢の炭で暖をとっていたのですが丁度良いあたたかさと濃い橙色に、改めて炭火の風情を感じました。

現代の生活に合わせた新しい火鉢なども考えていらっしゃるそうで昔、今、これから、と大変勉強になる時間でした。お茶人の方だけでなく、皆様も是非HPFacebookにご注目くださいね。

 

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