吉本大輔 作品
2018年01月13日
今週の金沢は大雪に見舞われ、雪景色の美しい町並みとなりました。
お店の前の雪すかしをしましたが、一息ついて辺りを見たらもう積もっているという有り様でした。
まだまだ積もるそうなので心配ですね。
さて、本日は新たに取り扱わせて頂く作家さんのご紹介です。
新年から加賀友禅作家 吉本大輔さんのお品を扱わせていただくことになりました。
年末に吉本さんの工房にお邪魔したときの様子も交えてご紹介致します。
《吉本大輔(よしもと・だいすけ)》
<略歴>
1977 金沢市生まれ
2000 金沢美術工芸大学工芸科 卒業
加賀友禅作家に弟子入り
2008 独立
2017 伝統工芸士に認定
<受賞歴>
2002 第24回伝統加賀友禅工芸館展 銅賞
2003 第25回伝統加賀友禅工芸館展 金賞
2005 第27回伝統加賀友禅工芸館展 銅賞
2011 第37回加賀友禅新作競技会 石川県伝統産業振興協議会会長賞
吉本さんは加賀友禅作家として活躍していますが、2年ほど前から着物以外の作品にも挑戦されています。
最近ではお着物を誂える方も少なくなってきたため、吉本さんは様々な方法での加賀友禅の紹介に意欲的に取り組んでいらっしゃいます。
有名なものでは、2017年度グッドデザイン賞を受賞したミュージアムの御朱印帖【ごミュ印帖】のカバーデザインを手がけました。
(手描加賀友禅の蝶ネクタイやバッグなども見せて頂きました)
工房では加賀友禅の制作工程のお話をお聞きし、今までに作られた作品や図案なども見せていただきました。
また、吉本さんは昨年伝統工芸士に認定されていますが、認定試験は12年以上の実務経験がある人しか受験できず、試験には筆記や実技があると教えていただきました。
加賀友禅については加賀友禅会館のHPに詳しく載っているので是非こちらをご覧ください。
落款検索では吉本さんの落款もご覧いただけます。
(工房の作業場の様子)
(着物には加賀友禅証紙がついていました)
(作品を色々見せて頂きました)
吉本さんの作品には写実的なモチーフの文様と、繰り返しの文様の併用が多く見受けられました。
二つの要素がうまく着物のなかで自然に調和している事についてお話をお伺いしたところ、繰り返しのようにみえる文様も実は一番よいところにあらわれるように微妙に調整しているそうで、手描きだからこそ出来る技に驚きました。
あえての手描きでの繰り返しはとても贅沢なのではというお話でも盛り上がりました。
吉本さんの作品は石川県立伝統産業工芸館のミュージアムショップでも常設販売されています。
また、乙女の金沢展や展示会などのフェアで出展するときもあるそうです。
石黒商店では今回、名物裂を参考にした古帛紗、加賀友禅の額、加賀友禅プリントハンカチを入荷いたしました。
石黒商店は以前から布物が少ないのが課題でもあるため、お店のお品とうまく馴染んでくれると嬉しいです。
吉本さんの目を魅くデザインや色使い、手描加賀友禅ならではの奥行きのある優しい色合いを是非ご覧ください。
色あせなどの劣化が心配な為、お品の一部を展示しております。
気になるものがあればお出しできますのでお気軽にお声かけください。