幸兵衛窯 志野盃
2016年11月12日
立冬を過ぎてから雷や霰の降る日もあり、冬の訪れを実感しますね。
冬の味覚であるカニ漁が解禁されたおかげか、近江町市場は多くの人でにぎわっています。
さて、本日はそんな寒い日の晩酌にぴったりなお品をご紹介いたします。
幸兵衛窯 志野盃(昭和)
口径 4.5cm
底径 3.2cm
高さ 4.5cm
大きな高台が印象的なこちらのお品は昭和の中ごろに作られた志野の盃です。
口縁部に緋色もでており、焼け具合や志野特有のとろりとした肌など、小さいながらも見どころがあります。
幸兵衛窯は文化初年(1804)初代加藤幸兵衛によって現在の岐阜県多治見市に開かれ、徳川幕府本丸御用窯となり、昭和に入ってからは宮内省より食器並装飾品の用命を受けました。
これまで、六代目の加藤卓男(1917-2005)が人間国宝に認定され、幸兵衛に師事した鈴木蔵(1937~)も人間国宝に認定されています。
現在は七代目まで続いており、歴史ある工房です。(幸兵衛窯HP)
高台内には幸兵衛窯の「幸」の文字が草書体で描かれています。 五代幸兵衛からこの窯印が使われるようになりました。
小さな盃でいつもより少し熱めに燗をつけたお酒をくいくいと、これからの季節の楽しみにいかがでしょうか。
また、お酒に合う珍味入れとしても活躍しそうです。ふんわりとした色味なので何を盛っても映えそうですね。