十錦手蓋物碗

2017年01月28日

 

金沢の冬はどんよりとした空模様の日が多いため冬は蒔絵のお椀や赤絵のお皿など温かみのある華やかな器が恋しくなります。

本日は色絵の可愛らしいお品をご紹介いたします。

十錦手蓋物碗

20世紀初(清朝終わり頃か)
<全体>
口径   11.9cm
高さ    7.1cm

 

 

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(全体の様子)

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(蓋の様子)

 

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(身の様子)

 

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(左:身見込み  右:蓋見込み)

白い地に青・黄・緑・桃・白の五色の絵の具で花唐草が描かれた可愛らしいお品です。

蓋や身の見込みにもお花が描かれ、黄色に春への焦がれる気持ちが募ります。

 

粉彩・十錦手とは琺瑯質の柔らかい絵具をベースにして金属顔料で呈色させた柔らかい多彩な絵の具で描かれた色絵磁器の一種で、もともと中国の景徳鎮窯が清朝初期の康煕年間(1662−1722)末に西洋から琺瑯の技術を学んで応用し、創案した白磁胎上絵付法でした。

その後雍正・乾隆年間(1723−95)に官窯で盛行し、日本では十錦手と称し江戸末期の19世紀中葉に導入され各地の窯で焼造されました。
様々な色が使われているのでどの色味のお料理でも合うのではないかと思います。

白と青が涼しげにも見えるので夏にもガラスのものと合わせても。

雑誌、『和楽』さんの「金沢のBest 30」で取り上げていただきました。

是非ご覧くださいませ。

この時期まだまだ寒いのであたたかなお料理を盛って食卓に華を添えてはいかがでしょうか。

 

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