二代横萩一光作 立鶴ノ絵盃
2018年01月27日
今週は強い寒波の影響で荒れた天気になりましたね。
お店の前の御影石は雪が積もると大変滑りやすいのでお気をつけくださいませ。
さて、本日は季節によって見え方のかわる手に収まりの良い鶴の絵の盃をご紹介いたします。
二代横萩一光作 立鶴ノ絵盃(明治~大正)
口径 5.0cm
底径 2.5cm
高さ 4.0cm
二代横萩一光 略歴
嘉永3年(1850)-大正13年(1924)
初代一光の長男。京都生まれ。本名は徳松。
陶法を父に学ぶ。明治28年「一光」を襲名し、臥龍山一光と称した。
明治元年の金沢卯辰山窯で作陶し、木津窯を再興する。同14年鶯谷窯を再興、同鶯谷観音町で新窯を築く。
粟田焼・仁清写の作品を製し、繊細な彫刻を施した作品も多い。
また、原呉山に楽焼も学んだ。後に京都に戻る。
作者の横萩一光は京都生まれの陶工ですが、金沢で活躍し作品も多く残っています。
小さな盃ですがさらさらと描かれた鶴の片足を上げ水中を伺う様子が可愛らしいですね。
釉薬には細かい貫入が入り柔らかい印象で京焼きの雰囲気が出ています。
見込みにふんわりと赤みが差しているのも落ち着いていて良いですね。
キズもありますがそこから雨漏りし景色を作っています。
鶴の背後に赤で力強く引かれた線は日の出に赤く染まる山々でしょうか。
この赤い山は紅葉のようにも見えますね。
今の時期は背景の淡いグレーが冬の色のように見えますが、春や夏になればまた違う色に見えてきそうです。
一年を通して楽しめる盃で手の中の小さな鶴を愛でてはいかがでしょうか。