印判手猪口
2019年01月19日
本日はセンター試験ですね。
受験生の方々がこれまで積み重ねてきた力を発揮できることをお祈りしております。
また、明日は大寒でもあります。
インフルエンザも流行してきたようですので、体調管理にはくれぐれもお気を付けください。
さて、本日は印判手の猪口をご紹介いたします。
印判手猪口(大正〜昭和)
口径 4.1cm
底径 3.0cm
高さ 4.3cm
小さくおままごとのようで可愛らしい印判手の猪口。
ひとつは、四隅に松を付け、双極図と青海波に松葉文の三宝と、上に二股大根と魚を乗せた鏡餅が描かれています。
こういった形式の鏡餅について詳しいことはよく分かりませんでしたが、二股大根は大黒天にお供えする物ですので、豊穣や繁栄を願うおめでたい図と言えるでしょう。
もうひとつは、波の上を走る犀が描かれています。
こちらは「犀」と言っても一般的に知られている動物のサイとは別の、霊獣としての犀となります。
「水犀(スイサイ)」などとも呼ばれ、火難を避ける霊獣とされています。
お品の名前にもある「印判手」とは、筆を使って図様を描く一般的な絵付けとは異なり、型紙などを使用して図様を写して絵付けした器のことを指します。
こちらの猪口は、明治以降に始まった銅版による転写技法で製作されたものとなります。
釉薬をインクとして紙に転写した銅版画を陶の素地に貼り付けて焼成するのですが、この猪口の図様の重なっている部分を見るとそれがよく分かります。
素朴な図様ですが、非常に細かな線で描かれており、見ていて飽きない器です。