大聖寺伊万里独楽形向付
2019年01月26日
雪の天気予報と昨晩の雷で今朝はどれほど雪が積もっているのだろうと恐る恐る窓を確認しましたが思ったほどではなく、少し肩透かしを食らった朝でした。
本日から明日にかけて少し積もるそうですがどのくらいになるのでしょうか。
今年に入ってからも雪がほとんど降らなかったので、北陸の雪は水分を多く含み重たいので雪かきが大変ですが、なぜか待ちわびていたような気がしてしまいます。
寒く空の暗い時期は華やかな器が恋しくなりますね。
本日は独楽の形をしたおめでたい文様尽くしの向付をご紹介いたします。
<骨董のはなし>
大聖寺伊万里独楽形向付 (明治〜大正)
口径 13.8cm
低径 7.8cm
高さ 5.0cm
色鮮やかな器で、龍や鳳凰、獅子が可愛らしくデフォルメされて描かれており、見込に描かれている紋章のようにも見える唐花文が目をひきます。
器形は独楽形で口縁部の立ち上がりが器の印象を引き締め、窓からは迫力のある獅子の顔が覗きこんでいます。
側面には縁起の良いものを集めた「宝尽し文」のひとつとしてよく描かれる宝珠と蓑笠が配されています。
宝珠とはもとは密教法具のひとつの上部が円錐形の火焔を伴う珠のことで、あらゆる願いを叶える不思議な宝です。
蓑笠は悪い物事から身を隠し守ってくれるという宝で、蓑は女性を表す文様で笠が男性を表す文様といわれています。
龍や鳳凰の顔や胴の部分は希釈した赤で色付けされており柔らかい印象になっています。
余白がすっきりとした白なので色絵が際立ちすっきりとして見えますね。
おめでたく豪華な向付なのでシンプルなお料理でも器に盛るだけで華やかになるのは嬉しいですね。
少し派手なようにも感じますが使ってゆくうちに何を盛ろうかと考えるのが楽しくなる、そんなお品です。