雪花堂花唐草四方盃

2019年02月16日

ここ数日はちらちらと粉雪がよく降りますね。

時より雲間から日が差すと空気が澄んだ心地がします。

一方で、二十四節気ではあと数日で雨水を迎えます。

確かに最近は日照時間も幾分か長くなり、春の近づきが分かります。

今回はこの空気感に合う、華やかであり、すっきりとした盃をご紹介いたします。

 

雪花堂花唐草四方盃<明治〜大正>

縦横  5cm×5cm

高台径 2.3cm

高さ  3.1cm

 

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白盛で描かれた花唐草がモダンな印象の盃です。

地色に青く盛り上がった点を打つ【青粒(あおちぶ)】と絵の具を凸状に盛り上げる【盛金】と【白盛】という技法を併用しています。

青粒の作品は九谷焼で数多くありますが、ものによって粒の打ってある細かさなどが違うので比べてみると面白いです。

葉の部分は青系と赤系の二色の地色に金彩で葉脈が描かれており、水が入ると金彩が輝きを増し葉の色が金銀に輝きます。

 

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高台の銘は「九谷雪花」と描かれています。

雪花の号を使っていたのは、明治期に金沢で活躍した九谷焼の上絵付けの職人である相川正之(号:雪花)ではないかと考えられます。

詳細はわかりませんが飯山華亭の門人であったと伝えられています。

 

絵付けが細かく丁寧に描かれているのでじっくりと見れば見るほど、その良さが分かるお品です。

飾って眺めるのはもちろん、特別なときなど実際に使ってみてはいかがでしょうか。

 

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