瀬戸人物文角皿
2019年04月20日
桜はすっかり散ってしまいましたがこれからは新緑が目に眩しい季節がやってきますね。
さて、本日は独特の青が目を惹く瀬戸のお皿をご紹介いたします。
<骨董のはなし>
瀬戸人物文角皿 (江戸末)
横幅 10.5cm
底幅 6.5cm
高さ 2.5cm
型打ちで作られたやや歪みのある四角い器形に緩やかな絵付。
分厚く手取りもしっかりとしていますが、角が立っているのでシャープな印象を受けます。
ゆるいけどきっちりという二つの印象が同居しています。
側面には身がぎっしりと詰まった柘榴の実が描かれています。
柘榴には豊穣や子孫繁栄という願いが込められ描かれることが多く、出産や育児の神である鬼子母神が手に持つものとして描かれています。
鬼子母神といえば金沢では、前田家三代利常が篤く信仰したとされる東山の「真成寺」が有名ですね。
写真ではうまくお伝えできませんが、染付が伊万里や九谷とはまた違う色合いなのも興味深いです。
真ん中の人物は舞を舞っているのでしょうか。
花のような扇に鉢のようなものをもち、輪になった縄の様なものを腰から下げるという独特な出で立ちです。
独特な青の色はこれから暖かくなってくるに従い嬉しくなりますね。
ぜひ店頭で色味を確かめてみてくださいね。