色絵金彩花文六角盃
2019年06月15日
北陸は梅雨入りしてから一週間ほどが経ちました。
今週は晴れ間も見え、過ごしやすい気温になりほっとしております。
雨が少ないねなどと話していましたら、明日は天気が荒れるそうですね。
外出される方はお気をつけくださいませ。
さて、本日はお天気は悪くても心が明るくなるような美しい盃をご紹介いたします。
色絵金彩花文六角盃 <明治〜大正>
口径 5.7cm
高台 2.6cm
高さ 2.7cm
花をモチーフとした九谷焼の色絵金彩の華やかな盃です。
金色の地の上に、金を盛り上げて描く【盛金】や細かい点を盛り上げて打つ【金粒】という技法で七宝つなぎ文や桐文が描かれています。
重厚感のある盛金絵付は見た目にも豪華で、水が入ると盛り上がった金が水の中で反射し、より立体的に見えてきます。
小さな盃に技巧が盛り込んでありますが丸みを帯びた器形のためか柔らかい印象をうけます。
水色、緑、黄色、桃色など蛍光色の塗料が使われており、描き込みの多さにも明治期の作品の雰囲気がよく出ていますね。
高台の銘は「九谷雪花堂」と描かれています。
雪花の号を使っていたのは、明治期に金沢で活躍した九谷焼の上絵付けの職人である相川正之(号:雪花)ではないかと考えられます。
詳細はわかりませんが飯山華亭の門人であったと伝えられています。
豪華絢爛な盃は眺めるだけでも満足感がありますね。
写真ではなかなか細やかさをお伝えするのが難しいため、ぜひ実物をご覧にお越しくださいませ。