瀬戸鉄釉片口向付
2020年01月20日
この冬は昨年同様、今のところは全くといっていいほど雪景色が見られず少し寂しいですね。
本日から二十四節気の「大寒」を迎えましたがこれから冷え込むのでしょうか。
さて、本日は日常使いしやすい瀬戸の片口向付をご紹介いたします。
瀬戸鉄釉片口向付 <大正~昭和か>
縦 約10cm
横 約15cm
高さ 約 5cm
時代や産地は明確にはわかりませんが、おそらくそこまで古くない瀬戸焼であろうと思われます。
もとは二十客揃いだったようですが現在は数客減っており、和紙が貼られ柿渋のような茶色い塗料がが塗られた木箱に納められています。
轆轤でひき口縁部が縁取られ、沓形で小さな片口がついています。
高台はなく平らで、底には箆などで削った跡が見え遊び心がありますね。
底には三角形の枠の中に「石」の字が三つ配された印が押してありますが、ざっと見たところ三種類くらいの印が使われているようです。
どこの窯印かはわかりませんでしたが作り手によって印を使い分けていたのかもしれませんね。
ものによって大きさや釉調がさまざまで黒々としたものもあれば、茶色で景色のあるものもあります。
一見地味ながら取り皿として、煮物や刺身用の向付としても様々な場面で使いやすいのではないかと思います。
じっくり見ると個体差が大きいので選ぶのが楽しくなる器です。