柿右衛門写 花文中皿
2020年02月29日
このところ心落ち着かない日々が続いていますが、よく食べよく寝て清潔を保って過ごすしかありませんね。
本日は花文の上品な中皿を紹介いたします。
柿右衛門写 花文中皿(江戸末期)
口径 14.2㎝
高さ 2.2㎝
見込の中心から広がる様に草花が描かれた皿です。
大きく描かれているのは菊でしょうか、牡丹のようでもありますが、葉の形が違います。
他には多弁の梅、沢鷹のような小花が描かれています。
濁し手の白を生かした構図の取り方は柿右衛門を意識していることがよく分かります。
大きさは小皿というには少し大きいくらいです。
こちらの中皿、2種類の物が同じ箱に入っておりました。
1つは、絵付けの筆致が強く、見込にも絵付けが施されているもの。
もう1つは、筆致が繊細で、見込に絵付けの痕跡だけがあるものです。
どちらも時代は同じ頃のもののようですが、どちらかに合わせて片方が作られたものと思われます。
よく見ると高台の表情も微妙に違います。
所々に傷がありますが、銀継で直してあり、大切にされてきたことが伝わります。
柿右衛門は海外輸出用として、カップ&ソーサーなどの食器も多く製作していた時期があります。
本品も見込に少し窪みがあるので、お好きなカップを合わせて、ソーサーとして使用しても楽しそうです。