伊万里水玉蕎麦猪口
2014年12月14日
<骨董のはなし>
伊万里水玉蕎麦猪口(江戸時代後期)
口径 10cm
底径 6cm
高さ 7cm
皆さん、「このお品は江戸時代後期の伊万里焼です」と言われたらびっくりしませんか。
江戸時代後期といえば少なくとも150年くらいはたっていますが、そのデザインは現代でも十分通用する可愛らしさです。
口縁部の鋭い鋸歯文(ギザギザ模様)と水玉模様が、なんとなくつららや雪を連想させます。
そして逆さにするともみの木と、そこに降る雪のような模様にも見えます。勝手な見立てではありますが冬向きなのでは?ということで今回ご紹介することにいたしました。
模様をよく見ると口縁部の鋸歯文は小さな点をつないで点描のように描いている事がわかります。さらにグラデーションのように薄い色でも同じ模様を重ねているのが、このお品をおしゃれに演出しています。
また、水玉模様は筆をおいてくるりと回した様子が伺える色むらも見えます。さらに十客ほどありますが、どれも底の部分まできちんと水玉文様が描かれているのがおもしろく、そして愛らしいです。
そんななかなか珍しい模様のこのお品、かなり大きな作りなのでスープやお料理の小鉢としても使えそうです。暖かいものと木のスプーンのぬくもりと共に冬を乗り切ってみてはいかがですか。