中村大朋(なかむらひろとも) 作品
2015年07月25日
今日は最近お店に入った作家さんの金工のお品を紹介いたします。
<中村大朋(なかむらひろとも)>
1976年生まれの金工作家。
東北芸術工科大学大学院修了
日本工芸会 正会員
日本伝統工芸展 入選
東日本伝統工芸展 入選
伝統工芸日本金工展 入選
<展覧会>
日本橋三越 伊勢丹新宿店 桃林堂画廊 清課堂ギャラリー 荒井アトリエ&ギャラリー
International Asian Art Fair (New York)
Contemporary Japanese Metalwork (Australia)
HEAVY METAL(Australia)
今回置かせていただいている中村さんのお品は、高さ10cmに満たない小さな花器が多いのですが、写真などで見ると大きくどっしりと見えるのがとても不思議です。
その存在感と、緑青などの金味が魅せる表情が、この時期の暑い空気を引き締めてくれているように感じます。
この緑青花器は一枚の銅版を叩いて成形し、底部分を接合して全面を緑青で仕上げてあります。
全体の緑青はどこを見ても違う表情があって面白く、深みがあります。
また、他の花器にもみられますが口の立ち上がりがなめらかで、指先でそっと摘んだような様子がとても目に心地よいです。
この存在感を是非、実際お店に堪能しに来ていただきたいです。
きっとすぐに見つけられると思いますよ。
さて、緑青は銅の表面に出てくるサビの一種です。
サビというと古いもの、朽ちかけたもの、とあまりきれいなイメージがない方もいらっしゃるかもしれませんが、緑青は自然とこんなに鮮やかな色が出てくるのだから不思議ですね。
(ちなみに日本画の顔料としての緑青は、孔雀石という鉱石を砕いたものですが銅のサビの緑青と主成分は同じだそうです)
中村さんのお品は最後の仕上げとして緑青を吹かせていますが、これが長い時間の経過も思わせる侘びた様子となり、当店の古いお品と相性がよいのかもしれません。
また、その他の花入も、形から表面の表情まで隙がなく、緑青花器に負けない存在感を持ったお品ばかりですので是非体感しにいらしてくださいね。