<特定金澤町家>に登録されました
2021年05月21日
雨の日が続き北陸もこのまま梅雨入りするのでしょうか。
雨の多い日は憂鬱になりがちですが、庭の緑が生き生きとして少し元気のなかった苔も増え始めたので嬉しく思います。
さて、本日は石黒商店店舗が<特定金澤町家>に登録され、プレートを設置しましたのでお知らせいたします。
<特定金澤町家>とは平成31年4月に金澤町家条例が改定され、個別の金澤町家で金沢市の歴史や伝統及び文化を伝える上で特に保全及び活用の必要があると市長が認めたもののことで、特定金澤町家登録簿に登録及び一般に公開されます。
平成25年のリニューアルに向けて当時築78年であった店舗を改修し、はや7年が経ちました。
改修直後は塗り直した弁柄格子が目に鮮やかでしたが年月と共に落ち着き街並みに馴染んできたように思います。
店舗の床柱は大阪の市で競り落とし(三代目談)彫刻の欄間や引き手も象嵌や七宝のものを使用するなど、時間と手間をかけてつくられた建物であることが伺えます。
黒漆喰の磨き仕上げは見られる建物が少ないからと、県外からも多くの方に見に来ていただきました。
建てられた当初の弁柄格子を再現し、リニューアルしてから見た目は大幅に変わりましたがそこにあるというだけで大きな意味があるのかもしれません。
(改修以前の店舗)
(改修後の店舗)
話は少し変わりますが、金沢市内を歩くとよく目にしていた金澤町家が取り壊されているのをいくつか目にします。
解体工事中は風景が変わってさみしい気持ちになりますが時間が経つと、そこに建物があったことすら思い出せなくなってゆきます。こうしてまちなみは少しづつ変わってゆくのですね。
令和元年10月1日より保全活用推進区域の中にある金澤町家について、金澤町家条例に基づき解体等事前届出制度が始まりました。
様々な事情で取り壊されるのは承知の上ですが、金澤町家を店舗として利用したり住みたい方も多くいると耳にするので、この制度で少しでも多くの金澤町家が次の世代へと継承されてほしいと願っております。