和ガラス デキャンタ
2015年07月11日
和ガラス デキャンタ 【大正~昭和初期か】
高さ(全長) 23cm
身 16cm
蓋長さ 9cm
底径 7cm
今回は夏にあわせて涼しげな吹きガラスのデキャンタを入荷しましたのでご紹介いたします。
シンプルな形と模様で、手取が意外と軽いのが特徴です。さらに大きな三角型の蓋は身と接する部分がしっかり摺りガラスになっているので、密閉度が高く実用的なお品です。
蓋と身の両方に施されたカットが少し不揃いな所は手仕事を感じさせてくれます。
ただガラスの透明度があまり高くない様子、さらに蓋部分に何か燃えかすのような不純物が混じっているところからその古さが伺えます。
実はこのお品、ブラックライトを当てると蛍光の黄緑色に光ります。これは原料にウランガラスが混ぜられていることによる発光で、ウラン化合物は第二次世界大戦が始まった頃から使用が禁止されています。よって1940年より前に作られたことがわかります。
もちろん身体への害はないので安心してお使い頂けます。
また、「デキャンタ」とはワインの澱を除き、空気に触れさせて味や香りを開かせるためにボトルからに移す作業(デキャンタージュ)のときに使われる容器のことです。
ワインだけではなく最近では日本酒でも香りを立たせ味をまろやかにするためにデキャンタージュされるものもあるようです。徳利に移し替えるときに空気を含ませるような感覚でしょうか。
今回は日本酒をイメージして花形の可愛らしいお猪口と合わせてみました。
シンプルなデザインなので蓋は箸置きに身を花生になど、デキャンタ以外としてでも活躍できそうなお品です。