「店主の語る骨董入門vol.2 -高台編-」 レポート

2014年09月25日

13日のセミナーに引き続き、20日に行われたセミナーも無事に終了いたしました。先週に引き続き、当日の様子のレポートをお届けします。

 

今回は「店主の語る骨董入門–高台編–」ということで高台の魅力や見方、その種類について実際に様々な器を手に取っていただきながら、お話をすすめました。メモを取られる方もいらっしゃり、皆さん真剣な面持ちで臨んでいらっしゃったのが印象的でした。ただ、内容が少し難しかったとのお声をいくつか頂きましたのでそれは次回への課題とさせていただきたいと思います。

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以下、内容をまとめたものになります。

(著作権の関係がありますので図版等は掲載出来ません。参考になりそうな茶碗を掲載しておきますのでご参照ください。)

 

お茶会においてお道具を拝見する際に重要視されることの一つに“高台の出来”というものがあります。普通はお茶碗全体を拝見し、最後に高台を拝見しますので、茶碗の印象を左右する重要な部分でもあります。

 

■そもそも高台とは?

皿や茶碗などの器のうち、卓に接する足の部分をさします。今回は主に焼き物の高台について話を進めてゆきました。

高台のつくりには丸い輪を別に作っておき、あとで本体につけた「ツケ高台」と本体の土をヘラで削ってつくった「ケズリダシ高台」などがあります。

 

■色々な高台

・  二重高台:畳付部分に溝が入り、二重になったもの。(例:志野 銘通天)

・  竹節高台:削りだして竹の節状にしたもの。(例:井戸 銘筒井筒)

・  三日月高台:高台の厚さが均等でなく、片方は厚くもう片方が薄い。方薄高台とも。(例:仁清作 銘片男波)

・  撥高台:三味線の撥に似ている。付け根から畳付けにかけて太く広がるもの。(例:呉器 銘紅葉呉器)

・  割高台:十文字や数カ所を削りだしたもの。

・  碁笥底:角の無い上げ底で、碁笥(囲碁で碁石を入れる容器)の底のようなもの。 ☆

・  兜巾:高台の中央部分が突き出して、兜の先端に似ているもの。

・  梅花皮(かいらぎ):釉薬が縮れた様子。(例:井戸 大名物 銘細川)

・  巴:内部に巴状の渦をヘラでとったもの ☆

・  釘彫:釘で彫ったような線刻模様があるもの。伊羅保に多い。 ☆

 

☆印のついているものは実際にお品を手に取って確認して頂きました。

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(↑皆さんで話合いながら、感想を伝え合いながら鑑賞していただいている一場面も)

■表現の仕方

器のよさや様子を表現する際には「ざんぐり(土のカサカサした感じ)」「手取り(手に取った時の重さなど)」などの言葉がよく使われます。またお茶碗に対して使う「やわらかい」という言葉が一体どのようなものなのか、やはり実際にいくつかの呉器茶碗を手にとって確認して頂きました。これも感じ方は人それぞれなので、店主が「かたい」と感じるものと「やわらかい」と感じるものを一緒に皆さんのところへまわしました。(写真は店主が祥瑞の土の特徴についてお話している所です。)

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茶碗だけでなく、お茶会では茶入の底の糸切りの様子も必ず拝見します。糸切りについても少しお話いたしました。

 

■糸切りについて

糸切りとは製陶の際、轆轤で成形した器を台から切り離す時使用した糸の跡です。轆轤の回る方向によって渦の向きが異なり、一般的に和物は右、唐物は左とされます。

当日は実際に粘土を買ってきて時計回り、半時計周りで糸切りをしてみました。これを見つつ、皆さんは和物茶入と唐物茶入の底を見比べていらっしゃいました。

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セミナー中には少し難しい言葉もあったかもしれませんが、皆さんそれぞれのお好みとは別に、長い歴史の中で「よいもの」とされてきた品はいったいどういう形や色、様子のものだったのかを少しでも体感していただけたら幸いです。

 

ご参加頂いた皆様ありがとうございました。

定員の関係でお断りさせていただいた方々、大変申し訳ございませんでした。

また次回以降のご参加をお待ちしております。