呉州寿ノ字小皿
2015年12月19日
今週、金沢は初雪が降りました。
雪は生活するには大変なものですが、初雪には毎年なんとなく心が踊ってしまいます。
さて、今週ご紹介するのはおめでたい一文字の入った小皿です。
呉州寿ノ字小皿(17世紀頃)
大きさ 8.0cm×8.0cm
高さ 2.3cm
ぽってりと厚くかけられた白い釉薬と、二重枠に囲まれた藍色の「壽」の一字が印象的なお品です。
力強い輪郭線の様子が藍色の濃淡で感じられるのもおもしろく、たった一字ですが見ていて飽きのこないデザインです。
形が入隅になっているので、白と藍のはっきりとしたコントラストを和らげて優しい雰囲気も感じられます。
高台からも厚く掛けられた釉薬の様子が伺えます。
また、呉州とは、「呉須」とも書かれ、この品に使われているような藍色の顔料を指します。主成分に酸化コバルトを含んでおり、深みのある色合いが特徴です。
今回はこのシンプルな皿に華やかな徳利を合わせて、お正月の雰囲気を演出してみました。おせちを少しつまんで、おつまみとしてこのお皿にのせてみてはいかがでしょうか。