瓢蒔絵吸物盆
2016年07月09日
今回は夏らしく、瓢簞の蒔絵のお盆をご紹介いたします。
瓢蒔絵吸物盆 (大正〜昭和)
直径 24.5cm
高さ 3.0cm
少し反りがありますが、デフォルメされた大きな瓢簞とその周りに配された写実的な蔦と葉の対比が大変おしゃれなお品です。
大正〜昭和初期頃に作られたものと思われます。
大きな朱の瓢簞の模様は研ぎだして表されており、境界線が柔らかく透けているのがわかります。
周りの蔦や葉、花は研ぎ出し蒔絵や高蒔絵、截金など技法を場所によって使い分け、美しく表されています。
花一つをとっても、花弁や、これから実になる部分や、産毛など色合いが違うのがおわかりいただけると思います。
また、蔦や葉、花が瓢簞を挟んで奥と手前に配されているのも、遠近感が出ていて面白いですね。
底には足が3カ所つけられていますが、それほど高さはありませんので机の上でもあまり気になりません。むしろお盆として差し上げる時には持ちやすく、使いやすいポイントになると思います。
吸物盆ですのでお碗と共に出すのもいいかと思いますが、今回はバカラのグラスとドライフルーツを乗せて、ちょっとしたおもてなしを想定してみました。
瓢簞の上にいくつかお料理を盛ってお出ししてもいいかもしれませんね。