古銅梅香立

2021年02月06日

立春を迎え、日も幾分長くなって、春が近付いてきたのが分かります。

通りを歩くと偶に見かける蝋梅が目に鮮やかです。

本日はこれにちなみまして、梅のお品をご紹介致します。

古銅梅香立

縦 4.8㎝

横 5.0㎝

高さ 1.4㎝

一輪の梅の大輪があり、その周囲には節くれだった幹が巡らされ、小さな梅の花と蕾が象られています。

裏を見ると、大輪は幹へと繋がっており、花の裏側は花弁のめくれや花脈が表されています。

こちらのお品、形が平たく、注ぎ口のような穴があるので、一見水滴のようにも見えますが、水を入れる場所は無く、香立と考えられます。

香立は「香」に関わるものですが、香道具の中に組まれているものではないためか、あまり取り上げられることはありません。

しかし、お香自体は香辛料と同様に、シルクロードによって南アジアから広まったもので、その歴史は長いものになります。

線香も日本で作られるようになったのは江戸時代からですが、それ以前よりインドや中国では作られていたようです。

元々は宗教的な儀式の一つとして広まったものですが、本品のような香立は普段使いのものとなります。

普段使いのものといっても360度抜け目なく、細部まで作り込まれています。

ある程度の重みもあるので文鎮としても使えそうです。

お香を立てているときは勿論、お香を立てていなくても見て楽しむことのできる香立です。

今回、松の茶托の上に置いてみました。

何か竹にまつわるものも合わせて、松竹梅にしてみても面白いですね。