筑良 筋入木皿

2021年04月17日

4月も半ばを過ぎましたが冷え込みますね。

当店では暖房がまだまだ活躍しそうです。

本日は仕事の光る木皿をご紹介いたします。

筑良 筋入木皿

口径 11.1㎝

高さ 3.1㎝

筑城良太郎(ついき・りょうたろう)

1874(明治7)年〜1932(昭和7)年

山中生まれ、山中漆器における榡地挽の名工。

父善吉は山中における髹漆の名工。

旭弥太郎に就いて榡地挽物の法を習った。

拭漆仕上げを創始し、盛筋・毛筋・鱗目・稲穂など多くの轆轤目を発明し、今日の山中漆器の基礎を作る。

こちらでは筑城良太郎のことを、その銘にちなんで「筑良(ちくりょう)」と呼びます。

本品も「筑良」と銘の入った木皿です。

外は非常に細かな毛筋、今日では千筋とよく呼びますが、それが繊細に刻まれた上に拭漆で仕上げられています。

内側は鮮やかな朱塗で磨き上げられています。

形は緩やかな端反りです。

こちらの木皿、裏返すと細かな毛筋による独特の光の反射が見えて、とても美しいです。

底には挽き目を入れず、また全体を拭漆で仕上げることで、挽き目の有無による木目の表情の違いも楽しむことができます。

見込みもよく見ると布目の凹凸があり、布着せがしっかりとされています。

シンプルな木皿ですが、素材を活かしながら非常に丁寧な仕事が施されていることがよく分かります。

筑良の仕事の良さがよく表れた木皿です。

シンプルな器ですので、お料理を盛ったり、お菓子をのせたり、色々な場面で使えそうですね。