支那正定大佛寺古瓦 大小
2021年08月07日
茹だるような暑さが続きますが皆さまいかがお過ごしでしょうか。
本日は立秋、秋の始まりといっても名ばかりで今年も残暑が厳しくなりそうですね。
水分補給や空調をしっかりとしてお身体を専一にご自愛くださいませ。
さて、本日は8月ということで蓮紋様の古瓦をご紹介いたします。
<骨董のはなし>
支那正定大佛寺古瓦 大小
(大)直径14×奥行4.5
(小)直径11×奥行3.5
こちらは中国河北省正定県の隆興寺(通称大佛寺)の瓦です。
隆興寺は隋代586年(開皇6)に創建され、宋代に再建された宋代の左右対称の伽藍配置をとどめた華北地方の代表的な仏教建築遺構で現在でも美しい緑釉と黄釉の瓦を見ることができます。
緑釉の瓦の方が大きな欠けもなく文様がよく見え、黄釉の瓦よりも少し古そうな印象を受けます。
黄釉の瓦はわかりやすい蓮文様ですが残念ながら蓮の花の部分は半分ほど欠けています。
極書には清朝頃のものとあり、写真にはありませんが箱裏には金沢の郷土史家大友圭堂の箱書きには昭和13年頃に入手し私宝として伝うとあり、大切にされてきたことが伺えます。
瓦は飾るのはもちろんですが昔は囲炉裏や大きな火鉢に景色として入れるなど洒落たことをしていたそうです。
ところで、金沢のお盆は7月にお墓参りをすることとキリコをかけるのが夏の風物詩としても知られていますね。
お墓参りでは自分の家のご先祖様のお墓だけではなくお世話になっているお家のお墓をお参りすることや、浄土真宗の家の多い金沢ではお盆にはご先祖さまは帰ってこないので家庭によりますがお盆飾りなどは特にしないなど、他県出身のスタッフには風習の違いで驚くことが多々ありました。
風習はその土地に生きる人にとって欠かせないものでありましたが時代が変わるにつれて消えてゆくものも多いので形だけにならないように守ってゆきたいです。
この時期は手を合わせて遠くにいってしまった大事な人に思いを馳せる時間を大切にしたいですね。