沢守半翠作染付小皿
2022年07月15日
梅雨明けしたばかりだというのに天気予報は雨マークばかりの不思議なお天気が続きますね。
涼しくて助かりますが、雨が多いと青空が恋しくなってしまいます。
本日は過去のブログでもご紹介した小松の数奇者、沢守半翠の涼しげな染付の小皿をご紹介いたします。
沢守半翠作 染付小皿(大正〜昭和)
口径 8.8cm
底径 4.8cm
高さ 2.5cm
<作者略歴>
沢守半翠(さわもり・はんすい)
明治3年(1870)-昭和20年(1945)
小松生まれの数寄者。名は安吉。
沢守家は醤油製造を生業とする素封家で、半翠はその10代目。明治25年に家督を相続し六平を襲名。
俳諧、書画、作陶、茶道、華道など多才。
別号に白雲子、渋柿庵。
作陶は原呉山、画は荒木探令、茶の湯は裏千家原呉山、奥村晴山に師事。
小松天満宮の月並茶会、能和会(現微妙会)の設立に尽力するなど、小松の茶道普及に大きく貢献した。
真っ白な器の真ん中にソフトクリームのような可愛らしい栄螺が染付で描かれています。
ほんの一部にかかった吹き墨があることでぐっと栄螺らしく見え、背景の塗り籠のムラがまるで波のように揺らめいて見えます。
高台はさらりと削られており兜巾がつんと立っており小慣れた雰囲気を醸し出しています。
高台内にも染付で沢守半翠の別号「白雲子」が書かれています。
なんでもない小皿のようにも思えますが絵の雰囲気やつくりなど、ちょっとしたところに可愛らしさがありますね。
お醤油皿としてはもちろん小菓子を乗せたり、取り合わせでも見え方が変わって面白いお品です。